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セウラサーリ島の夏至祭
2025.11.29
( Nordic Journal )
ヘルシンキの西側の海に、セウラサーリ / Seurasaariという島があります。ここにはフィンランドの伝統的な建築物が移築されて集合しており、島全体が屋外博物館となっています。


夏至のヘルシンキ市内は、閑散としています。皆、帰省したりサマーハウスへと出かけてしまうからです。しかし、セウラサーリ島行きのバスは満席。島の入り口も長蛇の列で驚きました。フィンランドではなかなか見ない人口密度です。

島への桟橋へ向かっていると、民族衣装をまとったおじいさんが。警備のおじさんと一言二言の会話を終えて、すたすたと先へと歩いてゆきました。どうやら急いでいるよう。


桟橋の左右には、のどかな夏の風景が広がります。


桟橋の上には人と、カモメ。
ここから島の中へと向かってゆきます。



豊かな自然とおおらかな地形、伝統的な木造建築がひっそりと佇むセウラサーリ島。人々は思い思いに島を散策しながら草花を摘み、花かんむりをつくっています。

広場につくられた小さな舞台では、伝統的な衣装をまとう人たちが音に身を委ねて踊っています。



広場につくられた小さな舞台では、伝統的な衣装をまとう人たちが音に身を委ねて踊っています。

行きの桟橋で見たおじさんも、ここにいました。
間に合ってよかったです。




傾く日差しのなか色をまとって軽快に踊る人びとの姿は美しく、ただただ、心地のよい時間が流れてゆきました。観客も一緒に踊ったところで、その場はひと段落。人の流れに身を任せて、奥へと進んでゆきます。



国旗の行進に着いていく人たち。いったいどこへ。

緑の広場には、竹馬や綱引きをして遊ぶ人びと。大人も子供も関係なしに、その時間、空間を存分に楽しんでいます。さらに先へと進むと、ひらけた場所へ。



どうやらここに国旗隊はたどり着いたよう。会場は大勢の人で賑わっています。


もちろんコーヒーも、マッカラも。

海辺に立つのはボンファイヤーの木組みです。大きな火が上がるボンファイヤーは夏至祭の目玉イベントのひとつですが、今年は乾燥・風の影響(火災への懸念)から中止に。三つの木組みは寂しそうに佇んでいました。




移築された古い木造建築たち。おとぎ話の世界に出てきそうな装いをしています。

夕暮れ時の長い影に包まれながら、続々と島を後にする人たち。


夜の闇に消える花火が夏の終わりを告げるように、帰り道の黄昏の光はフィンランドの短い夏の終わりを予感させます。
次の夏至まで、あと365日。
ふたたび、冬がやってきます。
セウラサーリ島の夏至祭
( Nordic Journal )
2025.11.29
Text & Photography : lumikka