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羊の島の夏
2025.11.29
( Nordic Journal )

旧アラビアファクトリーの裏の海辺に、Lammassaari / ランマサーリという島があります。日本語では「羊の島」。その名前からも、のどかな雰囲気が溢れ出ていますが実際はもっともっとのどかな島です。

島へとつづく橋。
ここは観光客よりも地元の人びとが多い印象です。


この島は夏の時期にだけ、どこからか羊がやってきます。それだけでなく、島全体は湿地帯になっているため野生の鳥をはじめとする多様な生き物が生息してます。市街地に近いにも関わらず、とても豊かな自然環境が残っているのです。



人も動物ものんびりぬくぬくと。


島での移動はこの細い桟橋で。向こうから人が来た時には、どちらかが横にある小さな板の上で待機をし、Kiitos!と言ってすれ違います。冬の時期は水が足元付近まで溜まっているので、落ちると大変です。

背のたかい植物が視界の下半分を覆い尽くすので、なんだかすっきりとした印象。心もすこし、軽やかに。

しばらく歩くと、かわいらしい看板が現れます。冬の時期にしか来たことがなかったので、どんな羊に会えるのかと心を躍らせます。






夏の毛なのか刈られた直後なのか、はたまた羊の種類なのか。様々な可能性への思考を巡らせながら、目の前にいる羊たちが、想像していた“羊”とちょっと違っていた理由を探します。





なんて、思うのも束の間。あまりにものどかすぎるこの風景の中では、“羊は白か黒か”などもはやどちらでもよく思えてきます。

そして森の中へと消えていく黒い羊たち。



島には野鳥観察のための物見台があったり、水辺の風景を楽しめる小さな古屋があったりと、目的なくぶらぶらと散歩をするだけでも楽しめます。




点在する物語の断片に耳を傾けながら、思考を巡らせながら。

羊の島の夏
( Nordic Journal )
2025.11.29
Text & Photography : lumikka